最近色々な事があって疲れた、と言っていた。
だからアイツの気分転換になれば・・・と思いウィンドーショッピングに付き合ってやったが、どうして女ってのは買いもしない物を見て歩くのが好きなんだ。
「あ、可愛いお店。」
煙草を吸いながら歩く俺の隣を歩いていたの足がピタリと止まる。
その視線はアンティークのような品を置いている店のウィンドーに釘付けだ。
――― 今朝からこの調子で店を覗いたか分からん
店内に入り、あれがいい、これがいいと散々言った挙句、金が無いからまた今度買いに来る・・・と言って店を出た。
今まで目的も無く店を見て歩くなど、俺は一切した事がない。
けれどは俺と腕を組んだまま終始視線を動かし、気になる店があれば俺の腕を引っ張ってそこへ連れて行く。
そんな調子で何軒も店を回っていたら、いつの間にか時計は昼の1時を示していた。
休みも無しに歩き回って疲れた体を休ませるべく、ウィンドーに張り付いたを残して歩き出したが・・・いつまでたってもアイツがこちらにやってくる気配がない。
「・・・ちっ」
仕方なく踵を返し、店の前で立ち止まっているの頭を遠慮なく叩く。
「いたっ!」
「何立ち止まってやがる。とっとと行くぞ。」
「でもほら、すっごく可愛いよ?」
「知るか。」
これ以上コイツに振り回されてたまるか。
目を合わせないようにしながらの肩に腕を回して歩き出そうとしたが、不意にその腕に手が添えられたので仕方なく視線を向けた。
「・・・」
「三蔵・・・」
「・・・」
付き合うようになってから色んなを見てきたが、この瞳だけは今も変わらない。
いつでも、どんな時でも俺をまっすぐ見つめる ――― 瞳
だが、その瞳が俺にとって一番厄介だと気づいたのはつい最近だ。
「ちょっと見るだけだから・・・」
「・・・」
他のヤツなら、こんな言葉聞きゃしない。
買う予定も無い物を見て歩くなんざ、ただの時間の浪費だ。
「・・・だめ?」
「・・・」
けれど色々な物を見て目を輝かせ、俺にその品について語るを見るのは、悪くない。
俺は大きくため息をつくとの肩を抱いたまま、先程の店の扉に手を伸ばし
「昼飯が遅くなっても知らんぞ。」
「大丈夫、ささっと見るから!」
「・・・ほぉ、どの口がその台詞を言う?」
「あ、あはははは」
「とっとと見て来い。」
「ありがとう!三蔵!!」
案外小さな店内に入っていったの背を見ながら、俺は外に出て今日何本目かの煙草に手を伸ばした。
「・・・今日も長いな。」
アイツと過ごす休日は、いつも・・・こんな風に穏やかに過ぎていく。
え〜っと涼香さんのサイトが1万HITになったお祝いに押し付け・・・げほごほ、贈呈した品です。
タイトルは涼香さんがつけてくれました。
相変わらずタイトルつけるのが苦手な私が、仲良くなったのをイイコトに「タイトルつけてw」と言って押し付けたのです(笑)
素敵なタイトルつけて貰って良かったね、自分(笑)
ちなみに「It's lovely & warm holiday」の「lovely」には居心地の良い、とか素敵な、という意味もあるのだそうです。
へぇ〜へぇ〜へぇ〜・・・←知ってろよ(苦笑)
それにしても、どうして私が他の人に三蔵を書くと・・・カッコよくなるんだろう???やっぱ相手の問題かしら?(汗)